「田舎はWebデザイナーの求人が少ない」
田舎で暮らすWebデザイナーの方や地方移住を希望しているWebデザイナーにとってネックとなるのは”働き口の少なさ”ではないでしょうか。
実際、デザイナーに限らずWebコンテンツを制作する”情報通信業”に分類される業種の仕事というのは東京等の都市部に集中しており、地方、特に所謂「田舎」と呼ばれる地域ではデザイン事務所自体が存在していないというケースが多いのが現状です。
それではWebデザイナーはみんな都会に行かなければならないのか?と言われると、答えは「NO」です。
今回の記事では、田舎でWebデザイナーとして働くためのポイントを解説してまいります。
どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

目次
田舎でWebデザイナーをするなら「独立」がおすすめ
田舎では求人情報を見てもWebデザイナーを募集している企業はとても少ない傾向にあるため、Webデザイナーとして「転職」することは厳しい現実があります。
しかし、あくまでも「会社」としての募集が少ないのであって、Webデザインの仕事が無いというわけではありません。
田舎の場合、大企業ではなく中小企業や小小企業と言えるような小さい会社が多く、家族が手伝っていたり複数の業務を一人で兼任してまわしていることがよく見られます。
そのため、例えば自社の商品のPRを行いたいといった場合、専門の知識や技術を持ったスタッフがおらずそこの部分はおざなりのまま…といったケースが少なくありません。
また、都会では数ある広告代理店というものがないため、田舎で販促や集客をする場合は地元の印刷会社にデザインや印刷を依頼し任せているという会社が非常に多く見られます。
このように、田舎では需要がないわけではなく「頼み方がわからない」「Webデザイナーという存在を知らない」という理由でWebデザイナーという職業の募集や依頼をしていないのです。
そのため、田舎でWebデザイナーをするのであればフリーランスとして独立し、現地のお店や企業に対しWebデザイナーとは何をする人なのか、何ができるのかといったことを説明する「営業」活動を行うことで顧客を開拓していくことは十分に可能であると言えます。
田舎でWebデザイナーをするメリット
例えば東京の大手広告代理店やデザイン会社で経験の少ない状態でWebデザイナーとして就職した場合、一般的に5年から10年くらいの下積み期間が必要になります。
また、多くは下請け業務となるため、”自分のデザイン”を仕事できるようになることは非常に難しく、デザインをしたいという気持ちが強い人ほど精神的に続けていくことが難しいという現状があります。
そこでフリーとなり田舎に移住して開業すると、自分のスキルを使って仕事の依頼を得て制作していくわけですから仕事のやりがいや面白さは非常に大きくなるでしょう。
また、競合が少ないため仕事が取りやすいというメリットもあります。
また、気になるお金の面ですが、やはり1件あたりの依頼に対する料金は都心と比べて低い傾向にあります。
小さな会社では広告やデザインに予算を多くかけられないことが多いからです。
しかし、案件ごとの料金が安くても、開業の初期投資や在庫リスク、機材や設備、人件費、事務所兼自宅の家賃や生活費といった経費やコストも安いというのが田舎のメリットです。
デザインの発注が初めてという会社やお店の場合、そこまで高いクオリティを求められることは少ないので、何度もやり直しが必要になって時間をロスするようなこともあまり考えられません。
もちろんだからといって手を抜いて良いわけではなく自分のデザインが採用されやすい状況なので個人としての責任は背負いつつ、それでも都会の会社で受けるようなストレスはかなり軽減されるでしょう。
また、一つ一つの案件に対しクライアントとのコミュニケーションを密に行うため、一緒に
悩み、考えてデザインを仕上げているという感覚が強くなります。
そこで築かれた信頼関係や人間関係は田舎の方がより強くなりやすく、継続して依頼を受けられるようになったり、クライアントに他の会社を紹介してもらい、新たなお仕事の依頼につながるといった可能性も高くなります。
他のスキルを持っているフリーランサーと連携がし易い
都会でWEBデザイナーとして独立した場合、関連するWEBマーケターやWEBライターと連携したいと思っても、どこにどんなスキルを持っている人がいるのか分かりませんし、すでに多くの案件を抱えていて、連携の余地が無いことが多くあります。
これが田舎の場合、人の繋がりが強いので、移住先の区長などに相談すれば、連携したいスキルを持っている人が直ぐに見つかる可能性があります。
そして、連携したいスキルを持っている人と顔を合わせて打ち合わせが出来るので、ネット上の繋がりのような突然連絡が取れなくなってしまってお客様に迷惑を掛けるような心配はありません。
お互いが顔見知りで、それぞれのクライアントから相談を受けたことから、それぞれの専門のフリーランサーに相談や発注するなどして、仕事が増えて行く可能性もあります。
このようなお互いが強く連携したチームを作ることで、田舎での独立をスムーズに発展させることが可能になります。
田舎でWebデザイナーとして成功するために必要なこと
以上のように田舎でWebデザイナーとしてやっていくことは十分可能ですし、田舎ならではのメリットも多くあります。
しかし、Webデザイナーとして食べていくためには必要なことがあります。
まず一つ目は、一人でデザインを請け負うわけですから、幅広い依頼に対応できるよう未経験の分野も学習することです。
特にWebデザイナーについてあまり認識していないクライアントが多いわけですから、Web、つまり「パソコンやインターネットに関して何でも知っている人」と思われてさまざまな相談を受けることになります。
しかし質問や相談をされる度に「分からない」と答えていては信用をなくしたり、あなたに任せることに不安を感じ、次の依頼はなくなってしまう可能性もあります。
そのため、未経験の仕事でも何もせず断るのではなく、とにかく調べ勉強して失敗しても挑戦するという気概が必要になります。
納期が短いと非常に大変な状況にはなりますが、真摯に誠実に取り組む姿勢は良い印象を与えますし、経験と実績を積むには最高の状況とも言えるでしょう。
それを繰り返すことでプロのデザイナーとして成長し、収入も増えていくのです。
そこで次に、田舎でWebデザイナーとしてやっていくために身に着けたいスキルについて紹介していきましょう。
田舎でWebデザイナーとして成功するために身に着けたいスキル
上記で説明した通り、田舎でWebデザイナーとしてやっていくためには幅広い知識や技術を身に着けることが必要です。
そこで開業する前に「これだけは身に着けておきたい!」と思う主なものを以下に紹介します。
コーディング
Webサイトを作る上で必要な作業の一つ、コーディング。
コーディングではプログラムのソースコードの書いて行いますが、HTMLとCSSは特に重要になりますので身に着けておきたいスキルです。
モバイルサイトの構築
今はパソコンではなくスマホやタブレットを利用してインターネットやサイトを見るという人が多い時代です。
レスポンシブデザイン等スマホサイトの構築に必要な知識を持っていれば、クライアントのホームページや販売サイトがモバイル対応していない場合に集客や売上を伸ばすために提案し、受注することが可能となります。
WordPress
WordPressはサイトを作る際の定番のソフトであり、今や世界にある全サイトの35%はこのWordPressで作られているそうです。
そのため、Webデザイナーとして仕事をするならWordPressの知識を身に着けておくと良いでしょう。
サーバーの仕組み
作ったサイトをネットに上げるためには、サーバーに関する知識もあるに越したことはありません。
環境によっておレンタルサーバーを使う場合はそこまで深い知識は必要ありませんが、基本的な設定の方法や仕組みについては理解しておくことをおすすめします。
アクセス解析
田舎の小さな会社や個人経営のお店などでは、Webデザイナーにデザインをしてもらってもその後どんな効果があるのか細かな分析を行える人がいないことはよくあります。
そのため、「作ったら終わり」では信頼を得ることは難しいでしょう。
そこでアクセス解析などマーケティングの知識も身に着けておけば、制作後のサポートや新たな戦略の提案など、クライアントの商品やサービスをより良いものにしていくために必要な仕事までもらえるようになり、継続した受注を受けやすくなります。
まとめ
いかがでしたか?
「田舎ではWebデザイナーの仕事がない」と思っていた方も、実はフリーランスとして成功する可能性があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
自身の知識やスキルの幅を広げ深めていく努力は必要ですが、都会でデザイナーをするよりもやりがいは増え、ビジネスとしてうまくいく可能性もあります。
迷われている方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?