近年、インターネットの普及や働き方改革等により、リモートワークを進める会社やライフワークバランスを重視する人、住む場所に限定されない働き方を選ぶ人が増えてきました。

その中でも、家賃や生活費が高く人も多い都会からコストが安く豊かな自然の中でのんびり暮らしたいと考える人が多くなり、子育て世帯の家族や特に新しいビジネスを始めようとしている起業家などにとって「地方移住」が人気の選択肢となっています。

そこで今回の記事では、田舎でビジネス、特にスモールビジネスを始めるメリット・デメリット、田舎で儲かる業種について解説してまいります。

ぜひ最後までご覧いただき、これから田舎移住を検討している皆様に向け参考になればと思います。

田舎での仕事におすすめの”スモールビジネス”って何?

スモールビジネスとは、その名の通り小規模で始めることができる事業のことを意味します。

規模に関する定義がはっきり決められているわけではありませんが、一般的には従業員5人以下の小規模企業のことを指す場合が多いです。

他にフリーランスや個人事業等、一人で行っているビジネスもスモールビジネスに該当します。

田舎でスモールビジネスに挑戦するメリット

田舎とスモールビジネスは非常に相性が良い組み合わせです!田舎でスモールビジネスを始めることをおすすめする理由として主に挙げられるメリットを以下、紹介します。

田舎は固定費が安い!

スモールビジネスは小規模な事業であるため、そもそも他のビジネスと比べてコストを抑えられる傾向にありますが、田舎で始めることで更に安く抑えられることが期待できます。

固定費は主に家賃や地代、水道光熱費の基本料、通信費、人件費など、売上に関わらず毎月一定してかかる費用のことを言います。

田舎で初めてビジネスを始める際は自宅を仕事部屋にするケースが多いかと思いますが、もし他に物件や店舗を借りたとしても賃料は都市部と比較してかなり安く借りられるでしょう。

同じ家賃を出せば大きく広いテナントを借りられるはずです。

固定費を抑えた分は安定した利益の確保へとつながりますので、やはりここを抑えられる田舎はビジネスを始めるのにおすすめなのです。

田舎は競合が少ない!

田舎は人口も少ないですが、その分ライバルも少ないため自分たちがビジネスチャンスを得られる可能性が高くなります。

成功した時の利益の大きさは確かに都会には適わないかも知れませんが、競合の多い環境の中でいつライバルにつぶされるか分からず、安心してはいられません。

また、失敗した時の損失も大きいため、リスクを覚悟しておく必要もあります。

一方で、都会では当たり前の事業やサービスでも田舎にはまだないというものがたくさんあります。

どこでも良いわけではなく地域にもよりますが、移住先の需要を見極めて始めれば一人勝ちできる可能性が都会よりも高いのです。

田舎は経済的な援助を受けられる!

地方から都市部への人口流出を食い止めるため、国や各自治体では都市から地方へ移住する人に支援金を給付し、地方移住を推進しています。

代表する主な支援金を紹介します。

<移住支援金>

東京23区内に在住・通勤している人または東京圏から東京23区へ通勤している人が、「条件不利地域」へ移住して起業や就業する場合に支給してもらえる支援金です。

(東京圏とは東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を指します。)

支給金額は、世帯であれば100万円以内(18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は18歳未満の者一人につき最大30万円を加算)、単身者であれば60万円以内で都道府県が設定している額を受け取ることができる嬉しい制度です。

移住先はあくまで「条件不利地域」が対象です。名古屋や大阪のような地方の中の都市部に移住しても支給されませんので注意しましょう。

<起業支援金>

もう一つは、地方自治体が地域の課題を解決するための社会的な事業を新たに起業しようとする人を対象に、起業するまでの支援と費用の助成を行う事業があります。

なんと最大で200万円の支援金を受け取ることができるので、初期費用にあてることもできますね。

社会的事業とは、例えば子育て支援や高齢者への支援、地元の特産品を使った飲食店の経営、まちづくり推進等といった、その地域が抱える課題に応じた事業で、想定される事業は幅広くあります。

また、初めての起業で不安があったり、一人で何から始めたら良いか分からないといった方でも、計画の審査から事業の立ち上げに向け一緒に伴走しサポートを行ってくれるので、相談できる人がいるという心強い存在ですし、更に起業に必要な経費の2分の1に相当する額を交付してくれるとあって条件を満たしていれば絶対に活用したい制度です。

田舎でスモールビジネスに挑戦するデメリットと対策

メリットがある一方、田舎ならではのデメリットも存在しています。メリット・デメリット両方を踏まえた上で、よく検討しましょう。

田舎は人が少ない…

田舎はどうしても都会より人口が少なく市場も小さいため、スモールビジネスを開業したとしてもその分野の需要が低い可能性があります。

そのため、移住をする前にしっかりとターゲットとなる地域の住民が求めているものを把握し見定めることが大切です。

田舎でのビジネスではターゲットを一つに絞ると非常にチャンスが狭まるため、例えば観光で訪れた人に向けて地元の商品を販売したり、ここだから体験できるサービスやイベントを開催する等、ターゲットを広げることが重要です。

他にもオンラインでの販売や情報の発信、提供を行うことで、地域に限定されず全国からの需要を集めることが期待できます。

田舎は交通の便が悪い…

次にデメリットとして挙げられるのは、やはり公共交通機関の不便さでしょう。

都会のように網羅されず、バスや電車の本数も少ない傾向にありますし、タクシーを捕まえるのにも苦労します。

そのような環境では、よほど近隣に人気のスポットや観光地でもない限り、お客さんに来てもらう必要のある事業は失敗する可能性が高くなります。

やはりこういう場合もオンライン上でやりとりや完結できるような営業形態や業態を取ることがおすすめです。

田舎は人間関係が面倒…

ドライな都会とは反対に、田舎では非常に濃くなるのが人間関係です。

もちろん、それが良い影響を与える場合もたくさんありますが、地域の行事やボランティア等の活動に参加したり、住民と積極的のコミュニケーションを取るようにしないと、”都会から来たよく分からない人”として警戒されたり、怪しまれたり、厄介者扱いやあなたの行うビジネスも受け入れない、という対応をされる可能性もあるのです。

人と接したくないという人はそもそも田舎への移住を考えないかも知れませんが、田舎に移住してスモールビジネスを始めるのであれば、住民と信頼関係を築けるよう努力することも大切です。

一度受け入れられれば家族のように色んな面で協力し助けてくれる存在になるはずです。

田舎でスモールビジネスを始めるならコレ!おすすめ業種3選

上記で既にお伝えしてきましたが、田舎でビジネスを始めるならそこに需要がなければ成功は難しいです。

そこで、田舎で成功しやすいおすすめのスモールビジネスを紹介します。

一番のおすすめはやっぱり「飲食業」

田舎は地元の新鮮な食材を安く手に入れやすいため、それらを活かしたメニューを考案し提供する飲食店がおすすめです。

外から訪れる旅行客はもちろん、地元の農家と提携することで地域の活性化にもつながり、地域住民にも受け入れてもらいやすくなるでしょう。

また、交通手段の悪い場所や高齢者に向けて、食事のデリバリーサービスも喜ばれると思います。

高齢者の多い地域なら「便利屋」がおすすめ

若者が離れてしまい住民のほとんどが高齢者、という地域も少なくありません。

そんなエリアでは小さなことから大きなことまでさまざまなお願い、頼まれごとを請け負う「便利屋」が重宝されます。

特に肉体労働を伴うような作業のニーズは高いはずです。

そのためにはさまざまな経験やスキル、知識を身に着けておく必要があります。

特に水道管や壁の塗装といった家の修理、修繕に関連するスキルはニーズが高くなると思われるため、事前に習得しておくと良いでしょう。

この仕事は自然と地域住民と関わりが増える仕事ですから、感謝されることで良い人間関係を築きやすいというメリットもあります。

観光地なら「宿泊施設」の開業が求められている

コロナ禍で観光客がいなくなったため、多くの宿泊施設が廃業に追い込まれたのは記憶に新しいところ。

それも落ち着き観光客が復活した現在、今度は宿泊施設が不足しているという状況に陥っています。

また、全国で空き家の増加が問題になっているのですが、空き家を安く購入しリノベーションして民泊などの宿泊施設として運営する取り組みが注目され、実際に増えています。

その地域ならではの生活や体験を盛り込んだプランを設けることで、興味を持ってもらいやすくなると同時に地域の魅力を知ってもらうきっかけにもなります。

まとめ

以前は「起業するために都会に出る」という選択が当たり前のようでしたが、以上のように、今は田舎でもビジネスを始めることが十分に出来る時代です。

特にスモールビジネスであれば規模が小さく初期費用も少なく済むため、初めて起業に挑戦する方にもおすすめです。

起業の方法はいくつもありますが、資金や進め方に不安がある方は支援金の申請をしてうまく活用していきましょう。

本サイトでは、他にも田舎暮らしや田舎でビジネスを始めたい方に向けた役立つ情報を発信していますので、ぜひ合わせてご覧くださいませ。