最近、都市部から地方への移住を希望する人、実際に移住した人の数が、目に見えて増えています。その中で仕事に関しては、これまで働いてきた会社に所属しながらリモートワークの働き方に変える人、経験した業界、業種、職種の仕事を地方でも続けようと転職先を探す人、あるいは田舎ならではの仕事を起業したりキャリアチェンジを考える人などさまざまです。そもそも「地方でも稼げる仕事」って何でしょうか? 地方は自然が豊かで生活コストも低い一方で、仕事の選択肢が制限されると感じる方も多いでしょう。しかし、現代ではインターネットやテクノロジーの発展により、以前と比べて都会と地方での格差が狭まってきています。今回の記事では、「地方でも稼げる仕事」の種類や特徴を中心に詳しく解説してまいります。ぜひ最後までご覧いただき、地方移住、田舎暮らしを目指している人に向け、参考にしていただければと思います。

目次
都会から地方に移住して働く理由
都市から地方に移住して働く主な理由は、人それぞれ違いますが、大きなものとしては家賃や物価などお金の面でコストを削減したい、通勤時間や競争社会などストレスの多い都会での生活や子どもを自然豊かな田舎でのびのび育てたいといった声が挙げられます。また、将来は田舎の静かな環境でのんびりした人生を送りたいと考えて、働けるうちに早めに準備をして移住する方も多いようです。
他にも、テレワークの普及も大きく影響しています。 リモートワークの浸透により、どこに居ても支障のない、働く場所に縛られないライフスタイルが実現し、地方での暮らしが現実的な選択肢となりました。都会とは違う温かい人間関係を求めて移住を決めるケースもあります。これらの理由が複雑に絡み合い、地方移住が注目されてるようです。
地方でも稼げる仕事とは?
地方でも稼げる仕事、地方だからこそ稼げる仕事はたくさんあります。以下、主な仕事とそれぞれの内容、特徴について紹介します。
Web関連の仕事
昔はIT業界やインターネット関連の仕事をしたければ都会に行くしかない、という状況でしたが、現在はリモートワークやオンラインビジネスは、インターネット環境さえ整っていれば、日本全国、場所を選ばず収入を得られる代表的な仕事となりました。具体的には、以下のような仕事が人気を集めています。
フリーランスのライター・翻訳者
企業や個人が運用するブログの記事作成や翻訳を在宅で行い、クラウドソーシングサイトで案件を獲得します。未経験や初心者向けの案件も多くあるため、経験や実績を積みたい人にもおすすめです。
Webデザイナー・エンジニア
ホームページの制作やコンテンツの作成、プログラミング等を行います。起業してフリーランスとして企業や個人から業務委託として依頼受けたり、会社や事務所に所属して働くことももちろん可能です。
動画編集者・YouTuber
動画編集スキルを磨き、企業のプロモーション動画を制作したり、活動しているYoutuberの動画の編集を担当したりします。また、自らYouTubeのチャンネルを運営し、収益化を目指すことも一つの方法です。動画編集は独学やスクールなどで学ぶこともおすすめです。今は通学しなくてもオンラインで学べるスクールも多くあるため、田舎に住んでいても問題ありません。
地域資源を活用したビジネス
”地方だからこそ稼げる仕事”にはどんな仕事があるでしょうか?地方には、都市部には無い独自の資源が豊富にあります。この資源を活用することで、地元に根差しながら収益を上げることが可能です。
農業・林業・漁業
地方ならではの自然環境を活かし、農産物や海産物を生産・販売する事業は根強い人気があります。そして以下のような方法で高付加価値化することで収益を最大化できます。
ブランド化
地元の特産品にブランドを付け、都市部の富裕層や海外市場をターゲットに販売。例えば、「〇〇産の有機野菜」や「特定地域の天然水」など、産地を前面に出した商品がご好評です。
6次産業化
1次産業(生産)、2次産業(加工)、3次産業(販売)を一体化し、生産から販売までを自社で行うビジネスモデル。自社で販売することで収益を増やすことができます。
オンライン直販
地元で収穫した野菜や魚をインターネットを通じて直接消費者に販売することで、中間マージンを削減し利益を拡大します。
観光業
地方の豊かな自然や文化を踏まえた観光業も魅力的であり人気です。元々観光地として完成している地域だけでなく、新たな可能性を探して町おこしにつなげるのも良い挑戦でしょう。
エコツーリズム
自然を守りながら観光客に体験型のツアーを提供します。登山やカヤック体験、地元の食材を使った料理教室など、趣味を生かした仕事が人気です。
ローカルガイドサービス
地元の歴史と文化に精通した地元に精通した人が観光客にその地域の魅力を直接伝えることで、高い付加価値を提供できるビジネスです。観光客は風景を見るだけでなく、地元ならではの文化やストーリーを体験することでより充足感のある旅になるでしょう。
民泊やグランピング
空き家や古民家を活用して宿泊施設を運営することで、地方の魅力を深く体験してもらうことができます。また、海外からの観光客にとっては、日本の伝統ある文化の体験を提供できるでしょう。
クラフト・ハンドメイド商品の販売
地方の伝統工芸や独自の技術を活かし、ハンドメイド商品を制作・販売する成功例も多いです。
地域の伝統技術を活かす
木工品、陶器、織物など、地元の伝統工芸品を現代風にアレンジして全国に販路を広げます。
オンラインマーケットプレイスの活用
BASEやCreemaなどのプラットフォームを活用することで、地方在住でも全国の顧客へアプローチすることが可能です。また、店舗を持つよりも家賃や在庫を抱える心配もないこともメリットです。
スキルを相談した地域貢献型の仕事
地方の課題を解決しつつ、自分のスキルを活かして収入を得る仕事は、地域社会にとっても大きな価値をもたらします。
IT・デジタル技術を活用した地域支援
地方でもデジタル化が進む中、地方ではITスキルを持つ人材が不足しています。東京などの都会でIT企業に勤めていた人にとっては、これをビジネスチャンスとして活用できるでしょう。
地元企業のIT化支援
小規模事業者や農家、漁業者がオンラインショップを開設したり、業務管理をデジタル化するためのコンサルティングを行っています。
デジタルマーケティング支援
地元の観光地や特産品のプロモーションを手助けし、SNSや広告を活用して集客を強化する仕事もあります。
コンサルタント・講師業
特定のスキルや知識を地元の人々に提供することで、地域全体のスキルアップや活性化を支援します。移住後の人間関係の構築にも役立つでしょう。
起業支援コンサルタント
地方で起業や独立を目指す人をサポートし、ビジネスプランの作成や資金調達の方法をアドバイスします。地域全体の経済活性化にもつながります。
スキル講座の開講
プログラミングやデザイン、手工芸など、自分が得意とする分野でのワークショップを開催します。地域住民や移住者を対象に、スキルの提供と受講することで交流の場を提供します。
地域おこし協力隊の活用
国の制度を利用して、地方の課題解決に取り組む「地域おこし協力隊」として働くのも選択肢のうちの一つです。
具体的な活動内容は、地域資源のブランディング、観光客の誘致、新規事業の立ち上げなど幅広い分野での活動となります。給料が支給される上に、任期終了後の起業サポートを受けることもできます。
実績例として地域おこし協力隊を経て地元に定住し、農産物の加工・販売を行う事業を立ち上げた成功例も多く報告されています。
飲食業
都会から田舎へ移住し、レストランやカフェを開業する人も多くいます。地元の食材を活用した個性ある店舗は観光客や地元住民に人気です。
地元密着型の飲食店
地元の農家と提携し、特産品や旬の食材を使った料理を提供することで、地域住民からのサポートを集めやすい傾向にあります。また、観光客向けに地元料理を提供することで競合との差別化が図れます。
キッチンカーやテイクアウト専門店
初期費用を抑えつつ、地元のイベントや観光地でフレキシブルにする営業スタイルも人気です。ショッピングモールの外やイベントの会場などで展開すると、人を集めやすいでしょう。
介護職
地方では高齢化が進んでいる地域が多く、介護職は非常に需要が高い職業です。 特に以下の点がポイントとなります。
高いニーズと安定した雇用
高齢者が多い地域では介護施設や在宅介護サービスのニーズが常に高いため、雇用の安定性が期待できます。ブランクのある主婦も採用されやすく始めやすい職種で、実際に多くの女性が活躍しています。
資格取得支援制度の活用
未経験者でも介護職員初任者研修や介護福祉士の資格を取得することで、キャリアアップや収入増加を目指せます。自治体や事業所によっては資格費用の補助も行われています。
地域密着型の仕事
地元の人々と深く関わりながら働くため、社会的な貢献度も高く、やりがいを感じられる部分です。
地方で稼ぐための3つの成功ポイント
スキルアップを怠らない
地方で稼ぐためには、都市部以上に「スキル」が重要です。 特にオンラインで稼ぐ仕事では競争技術が激しいため、最新のトレンドや学びを継続する姿勢が求められます。ソフトを使いこなすこと、ライティングではSEOの知識を常にアップデートすることが大切です。
ネットワークを活用する
地方での仕事では、地元コミュニティとのつながりやオンラインの人脈が強みになります。地元の企業や自治体との関係を築くことで、新たなビジネスチャンスが広がることも少なくありません。コミュニティを活用して情報発信を行い、全国からの依頼を受けることも可能です。
複数の収入源を持つ
仕事によっては一つの収入源のみに頼るのはリスクが高くなります。そのため、副業を持つなど複数の仕事を行うことが推奨されます。例えば、平日はリモートでのITサポート業務を行い、週末には地元のイベントで観光ガイドを、といった働き方が考えられます。これにより、収入の安定性が高まります。
事例で学ぶ地方で稼げる仕事
以下は、地方でも実際に成功している仕事の具体例です。
オンラインショップ運営
地方の特産品や手作り商品をECサイトで販売し、全国から注文を受け付けます。例えば、地元の農産物に「無農薬」や「有機」などの付加価値をつけて販売すれば、都市部の消費者からの人気が高まります。
リモートコンサルタント
中小企業向けにオンラインで経営コンサルティングやマーケティング支援を行うビジネスです。専門的な知識が必要ですが、一度顧客を獲得すれば長期的な収入が期待できます。
デジタルノマド型の働き方
パソコン一台で、ライティング、デザイン、プログラミングといった仕事を行うスタイルです。どこかに定住するのではなく、全国各地を旅行を兼ねて移動しながら働く人たちもいます。
地方で稼ぐためのツールとサービス
地方での仕事を効率よく進めるために、以下のツールやサービスを活用しましょう。
・クラウドソーシングサイト(ランサーズ、クラウドワークスなど):フリーランス
向けの案件を多数掲載。
・オンラインショップ構築サービス(Shopify、BASEなど):簡単に自分のECサイトを立ち上げられます。
・SNS(Instagram、Twitter、YouTubeなど):商品サービスの情報発信やPRに活用します。
まとめ
まとめ以上のように、地方でも稼げる仕事は、オンラインを活用するものから地域の資源を活かしたビジネスまで幅広くあります。重要なのは、自分のスキルを活かし、磨き、好きという気持ちや興味を持って仕事に取り組み、常に学習を続けることです。また、複数の収入源を持つことで安定した収入を確保できる可能性が高くなります。 地方移住を考えている方や、すでに地方で暮らしている方も、この機会に新たな働き方を検討してみてはいかがでしょうか?