都会の忙しさに疲れ、田舎へ移住する人が増えています。
コロナの流行によりリモートワークに対応する企業が増え、近年は会社員の副業が認められたり、国も起業を推進するなど働き方も大きく変化しています。
そのお陰で東京等の都心に住んでいなくても出来る仕事の幅は広がり、家賃や生活費が安く自然豊かな田舎でのんびり暮らしたいという人が増えているのです。
地方への移住を機に会社を退職し、田舎で独立・開業を考える人もいるでしょう。
そこで今回の記事では田舎で開業するには何がいいのか、田舎で開業するメリット、デメリット、そしておすすめの業種や職種についても解説してまいります。
どうぞ最後までご覧いただき、田舎での開業を検討している皆様の参考にしていただければと思います。

目次
田舎で開業するなら何がいい?おすすめのビジネス
それでは早速、田舎で開業するなら何がいいか、成功しやすいおすすめのビジネスを紹介していきましょう。
ネットビジネス
今や老若男女問わず、ほとんどの人が利用しているインターネット。
インターネットを利用したネットビジネスであれば、ネット環境さえ整っていれば田舎で暮らしていても開業することが可能です。
例えばネットショップ。住んでいる地域の新鮮な野菜や魚など特産品を取り扱えば田舎に住んでいることが逆に強みとなり、生産している地元の人からも感謝されるビジネスとなるでしょう。
アプリの開発や最近需要の高い動画編集、WEBライター等もおすすめです。
また、WEBビジネスやITに関する知識やスキル、ノウハウを教えるスクールの開業やSNS運用、広告運用、ホームページ作成等のコンサルティング会社、パソコン教室の開業といった方法もあります。
配食・宅配サービス
日本は全国で超高齢化社会が問題となっていますが、特に田舎の高齢化は顕著に進んでいます。
交通が不便な地域に住んでいる高齢者や足腰を悪くして外出が出来ない人、交通手段がない方々も少なくないため、配食や宅配サービス、食品や日用品を販売する移動スーパー等は非常に喜ばれるビジネスとなるでしょう。
これらのサービスはフランチャイズ(FC)展開している企業も多いため、フランチャイズでの開業を検討している方にもおすすめです。
飲食店
田舎の開業で飲食店が向いている理由としては、まず都会と比べて広い物件を安く借りることが出来る点。
観光地が近くにあるエリアであれば観光客をターゲットに出来ますし、イベントを企画して地域住民が交流できる場として活用することも可能です。
レストランだけでなく、ふらっと気軽に立ち寄れるカフェや居酒屋も良いでしょう。
便利屋
田舎で開業するなら何がいいか、あれもこれもと迷っているなら思い切って「便利屋」「何でも屋」を開業するのはいかがですか?
例えば高齢者向けの清掃や買い物の代行、送迎、農家や畑仕事の手伝い、相続で引き継いだものの空き家となっている実家の空気の入れ替えや庭の草刈りといった管理サービスも人気の事例です。
特別な資格も不要で店舗を持つ必要もないので、開業のハードルが低いこともおすすめのポイントです。
口コミで広がり地域の人々に信頼され頼られる存在になれれば、安定した収入を得られる可能性も高くなります。
介護事業
高齢者が多い田舎では、介護に関連した仕事での開業も成功しやすいでしょう。
訪問介護や介護施設はもちろん、移動に苦労している高齢者のための介護タクシーも最近は需要が高まっています。
動画クリエイター
田舎での生活をYoutube等の動画サイトで配信し収益を稼ぐ方法もあります。
実際、田舎の動画コンテンツは注目を集めていて人気が高く高収入も夢ではありません。
今はスマホが一台あれば無料のアプリで編集も可能なので、副業として始めてみるのも良いかも知れませんね。
宿泊施設
空き家となっている古民家を再生し、民泊等の宿泊施設を運営する人も増えています。
ただ泊まるだけではなくその土地ならではの体験を盛り込んだサービスを付けることで、都会のホテルでは得られない時間を提供し田舎ならではの魅力を感じてもらうことが出来るでしょう。
田舎で開業するメリット
東京都で起業、開業する場合と比較して、地方の田舎で開業することで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
お金の支援が受けられる
国や自治体では、地方創生を活性化させる目的で地方への移住、そして起業・開業する人に向けて補助金など費用面で支援する事業を行っています。
その内容としては、起業・開業に必要な資金の一定額を支給したり、税金の免除を受けられたり、支援金を提供する等さまざまです。
利用できる制度を活用することで費用を抑え、開業を始めることが出来ます。
固定費が安い
開業にあたって店舗や事務所を借りる場合、都会と比べて不動産の価格に大きな違いがあることも田舎の大きなメリットです。
また、人を雇用する場合には最低賃金時間額が僅かではありますが都会と比べて低いため、人件費を抑えることもできます。
競合が少ない
都会では当たり前のサービスや競合がひしめく分野でも、田舎にはまだないサービスや商品はたくさんあります。
ニーズを見極めればそれは大きなビジネスチャンスとなり、競合する他社が少ない田舎であれば価格競争に巻き込まれる心配もないため、利益を確保できる可能性も高まります。
田舎の開業に使える助成金制度
田舎での開業を目指し移住する起業家たちの資金作りをサポートする補助金、助成金、支援金の制度を設けている地方自治体は少なくありません。
一部の制度について、紹介します。
地方創生起業支援事業
起業支援金とも呼ばれるこの事業は、地方で事業を新たにスタートさせる方を対象とした支援制度で、最大300万円の支援金を受け取ることができます。
対象となる事業は幅広く、例えば子育てを支援する飲食店や地域で生産された食材を使った飲食店、買い物弱者を支援する事業、まちづくり推進といったその地方にある課題を解消するための事業が中心となっています。
移住支援金
移住支援金は上記の地方創生起業支援事業の一環であり、個人事業主として起業・開業する移住者や移住先の中小企業に就職する方を対象に最大100万円の支援金が支給されます。
支援金を受けるには市町村ごとにある独自の要件を満たす必要があります。
就農者支援
地方の自治体では、移住し農業に従事する方をサポートする制度を設けているところも多くあります。
例えば手厚い研修体制や給付金の支給、農業をお子合う土地の取得支援、農業に関するノウハウを教えてくれるスクール等。
自治体によってさまざまな独自の制度を設置しているため、農業ビジネスでの開業を考えている方は、ぜひ自治体のホームページ等を検索して制度の有無や詳細を確認してみて下さい。
田舎での開業を成功させるためのポイント
田舎は都会とは違った特徴がいくつかあります。
それらを把握し事前に対策をしておくことが、田舎で開業を成功させるコツです。
地域の特徴、ニーズの把握
「田舎」といってもそれぞれの地域によって住民が求めるニーズは異なります。
例えば山岳エリアであれば交通の便が悪いため、配食、宅配サービスや移動スーパー、介護タクシー等の需要が高いでしょう。
比較的街に近いエリアであれば、IT関連のスクールや宿泊施設、飲食店の開業に向いています。
海に近いエリアであればマリンスポーツやアクティビティの体験が出来るサービスや観光系の仕事の需要があるでしょう。
このように、田舎と一括りにせず、その土地の特徴やどのようなことが求められているかを前もってしっかりと調査することが、開業を失敗させないポイントになります。
地域住民との交流
田舎といったら人間関係、人と人とのつながりの濃さも特徴のひとつです。
人によってはそれが苦手で田舎への移住を躊躇しているという声もよく聞かれますが、田舎での開業や何かビジネスを始めるのであれば、地域の人とのコミュニケーションは避けて通れず、むしろ自分から積極的に取っていく必要があります。
しかしこれも地域によりますが、田舎の特に高齢の方の中には新しい人、都会から来た人を警戒する傾向にあります。そのため最初のうちは取っつきにくい、疎外されているような印象を受けるかも知れません。
そんな時は地域のイベントや行事に参加したり、困っていることがあれば手助けにいくようにすることで徐々に信頼関係が築け、家族のように力になってくれる関係になれるでしょう。
田舎での開業で成功するには、やはりその地域で愛される人になることが一番重要かも知れません。
SNSの活用
田舎での開業は人口が少ないことがネックです。顧客になる数がそもそも少ないため、集客するために工夫することも大切になります。
その中でぜひ活用したいのがSNSです。今は多くの企業や個人がSNSを集客のツールとして取り入れています。
SNSを使えばたとえ田舎にいても全国、全世界に簡単にサービスや商品のアピールをすることができるため、使わない手はありません。
また、同時に地元のおすすめの場所や地域の情報の発信も行えば、観光客が増えたり地域活性に貢献することも出来るでしょう。
田舎で起業するときに押さえるべき “収益構造と勝ちパターン”
田舎での起業は「やりたいこと」だけでなく、「収益構造が成り立つかどうか」を最初に設計することが重要です。
ここでは、代表的な業種ごとの収益モデル、初期コスト、成功ポイント を整理します。
① 飲食店・カフェ(体験型×地域密着モデル)
収益モデル
- 飲食売上(ランチ・ディナー)
- 物販(お土産・地元加工品)
- 教室・ワークショップ(料理教室・週末イベント)
初期コストの目安
- 物件改修・内装:数十万〜500万円
- 厨房設備:100万〜300万円
- 備品・什器:50万〜150万円
成功のコツ
- 地元食材を使った看板メニューをつくる
- 平日・週末で来客層を分けた戦略(住民 vs 観光)
- SNSで日々の発信を行い、遠方からの誘客につなげる
ポイント: 飲食単体よりも、体験(料理教室・イベント)+物販を組み合わせると、収益の「厚み」が出やすくなります。
② ゲストハウス・民泊(観光+地域体験)
収益モデル
- 宿泊料金
- 地元体験ツアーとのパッケージ(農業体験・漁業体験)
- 併設カフェやショップ収益
初期コストの目安
- 建物改修:200万〜1,000万円
- 内装・備品:100万〜300万円
- 保険・許認可:数万〜十数万円
成功のコツ
- 滞在型体験を設計(農業、食体験、季節イベント)
- 地域のガイドネットワーク構築
- 口コミ・レビュー戦略
ポイント: 単なる「宿」ではなく、地域体験とセットにしてブランド化すると稼働率が上がります。
③ 地元特化型ショップ(特産品・クラフト)
収益モデル
- 物販利益(地元農産物・特産品)
- オンライン販売(EC)
- 卸売・提携販売
初期コストの目安
- 物件賃貸・内装:50万〜200万円
- 在庫仕入れ:10万〜100万円
- ECサイト制作:10万〜30万円
成功のコツ
- オンラインとリアルを併用した販売戦略
- 定期便・ギフトセットの企画
- 他店とのコラボで集客力を高める
ポイント: 物販は「オンライン展開」と「体験販促(試食・デモ)」を組み合わせることで売上が安定します。
④ 農業×加工ビジネス(6次産業化)
収益モデル
- 生産物の直売
- 加工品(ジャム・ドレッシングなど)販売
- 農業体験・教育プログラム
初期コストの目安
- 収穫設備・資材:30万〜200万円
- 加工機器:50万〜300万円
- ラベル・パッケージ:10万〜50万円
成功のコツ
- 付加価値商品の企画
- 地元×観光需要を同時に狙える商品設計
- 観光シーズンの体験型イベントとの連携
ポイント: 農業単体よりも加工・体験・販売チャネルを多様化すると収益性が高まります。
起業前に押さえるべきチェックリスト
起業を成功させるには「やることリスト」に加えて、「検証すべき項目」を設計することが重要です。
| 項目 | チェック内容 |
|---|---|
| ターゲット | 地元住民・観光客・オンライン顧客のどれを主軸にするか |
| 収益性 | 月間の固定費(家賃・人件費)をカバーできる価格設定か |
| 競合 | 近隣に類似ビジネスはあるか・差別化ポイント |
| 集客戦略 | SNS / Web / 地域団体との連携の計画はあるか |
| 体験価値 | 単なる商品提供ではなく「体験」を設計できているか |
まとめ
田舎で開業するには何がいいか?と悩まれている方はたくさんいらっしゃいますが、実は田舎ならではのビジネスというのは意外とあることがお分かりいただけたかと思います。
物価が安いため、都会と比べて初期費用が抑えられ開業しやすいというのもメリットでしょう。
また、補助金や支援金等の制度を設置している自治体であればそれらを上手く活用し、リスクを抑えて開業することもおすすめです。
そして何より、せっかく田舎へ移住するのであれば仕事だけでなく自分自身が田舎の生活を満喫し充実することも大切です。
地域の人との交流を大切にし、ぜひ自然豊かでのんびりとした田舎で新しい生活をスタートさせていただければと思います。
田舎で起業する場合、1つの収益だけで勝負するのはリスクが高いと言えます。
以下のような複数の収益軸を組み合わせることで、収益の安定化と成長につながります。
✅ 実店舗
✅ 体験型コンテンツ
✅ オンライン販売
✅ コミュニティ形成(会員/ファン化)
このように、収益モデルの多層化と地域資源の活用を両立させる視点 は、田舎起業で成功するための重要なポイントです。

